[原子力産業新聞] 2008年10月23日 第2450号 <1面> |
エネ利用の評価開始 原子力委部会原子力委員会の政策評価部会は8日の会合から「エネルギー利用」に関する評価を開始した。今後、5回程度の会合やご意見を聴く会を開催、今年度内に現状の評価や今後の進め方の提言などを取りまとめる。 今会合では、原子力発電の取組み状況を資源エネルギー庁、電気事業連合会、日本電機工業会からヒアリング。エネ庁は原子力立国計画の各テーマの進捗状況、電事連は保全の高度化、経年変化の評価、出力向上、技術情報の共有などへの取組み状況を説明した。保全高度化では今後、状態基準保全の適用範囲を拡大し時間基準保全の間隔を適正化するとし、出力向上では日本原子力学会での検討状況や10年度から予定の日本原電・東海第二発電所の計画などの概要を示した。 電工会は最近のプラントメーカーの国際事業連携、技術部門や生産体制の強化、設計の標準化、世界展開に向けたサプライチェーン構築などの状況を説明。今後の課題として世界展開に向けた体質強化、アジア地域との国際協力、人材基盤の拡大などを挙げた。委員からは原子力の発電比率、国際協力における燃料供給を含むサプライチェーンの必要性、各社の製品戦略と次世代軽水炉の関係、設備利用率低下の詳細分析の必要性、技術情報共有の成果などに関する意見や質問が出された。近藤駿介・原子力委員長は発電比率に関し、大綱の「30〜40%程度という現在の水準程度か、それ以上」という記述の「それ以上」が重要とした。また、次世代軽水炉ではプラントのコンセプトだけでなく、次世代の安全性やセキュリティに関するビジョンが重要ではないかとも指摘した。 |