[原子力産業新聞] 2008年10月23日 第2450号 <2面>

会田・桜井両氏、原子力の重要性表明 11月16日 柏崎市長選でマニフェスト 柏崎刈羽原子力発電所の立地点

柏崎刈羽原子力発電所の立地自治体の1つである新潟県柏崎市の市長選挙が、11月9日に告示、16日投票が行われる。

立候補表明しているのは、現職で2選をめざす会田洋市長(61歳)と前回市長選にも立候補した桜井雅浩・元市議(46歳)の2名。両氏ともマニフェストを発表し、原子力発電所の重要性については大きな姿勢の違いはない。

【会田氏マニフェスト】

「さらなる未来へ 安心・元気・希望に満ちたまちをつくります」と題するマニフェストでは、「原子力発電所について」として特に言及し、「柏崎市の重要な基幹産業である原子力発電所とは、安全性の確保を最優先に信頼関係を確立し、共存を図っていく。世界一の原子力発電所は、世界一安全でなくてはならない。地震により停止している発電所の運転再開にむけては、東京電力・国に対してきちんとした安全確保を求めるとともに、将来にわたって安全と安心が得られるような研究・監視体制の強化を国に求めていく」としている。

「市民のみなさまへの50の約束」の中にも、(1)電気料金割引の実現(05年に編入した高柳町、西山町の電気料金を旧柏崎市と同じとし、市内全域で割引率を現行2割から5割にするよう国に働きかける)(2)地震観測網の強化・充実(3)研究施設の誘致(原子力施設等の耐震性評価技術に関する試験研究所の誘致を国に働きかける)――としている。

このほか同氏は、復興公営住宅の整備、企業立地への取組み、ほ場整備の促進、地産地消の推進、観光産業の推進などを訴えている。

【桜井氏マニフェスト】

「強く、やさしい柏崎へ――人にもまちにもエネルギー、人にもまちにもやさしい環境」と題するマニフェストでは、「原子力の重要性を認め、大きな柱として、かつ新たなエネルギー分野への技術展開も柏崎の産業として位置付けていく」としている。

「原子力発電所の再稼働――柏崎市の主体性を示すためにも!」では、(1)特別措置法として、約400億円の公共部門の地震被害については国からの全面的な負担を求め、復興を必ず実現させる(2)規制体制としては、原子力安全委員会と原子力安全・保安院の統合を図り、執行力、独立性を保った「原子力規制委員会」の創設が私の願い。他の原子力立地地域のためにも、日本の原子力、エネルギー戦略のためにも絶対的に必要(3)電気のふるさと納税として、電気関連企業の社員で、首都圏に勤務する方々や電気消費者に協力を求め、3年間、地震復興にのみ使途を限定させる――を主張している。

そのほか同氏は、市役所職員数の削減を含む徹底した行政改革、農業関係団体を集約し柏崎農業を高度化、「柏崎原子力・環境技術」(仮称)株式会社の設立、圧倒的な優遇策による原子力発電所向け部品製造・環境技術などものづくり産業の誘致などを訴えている。


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