[原子力産業新聞] 2008年10月23日 第2450号 <6面>

保安院 柏崎刈羽基準地震動の検討開始

原子力安全・保安院の「地震・津波、地質・地盤合同ワーキングループ」(主査=阿部勝征・東京大学名誉教授)は9日、東京電力による柏崎刈羽原子力発電所の基準地震動の妥当性について検討を開始した。

東京電力は先月、柏崎刈羽発電所敷地に大きな影響を及ぼすと考えられるF―B断層の安全評価上の不確かさを考慮、長さを34kmから36kmと再評価するなどし、5月に策定した基準地震動Ssを見直した上で、保安院に報告書改訂版を提出した。

これを受け、原子力安全委員会の耐震安全性評価特別委員会では、新耐震設計審査指針の指摘を踏まえ、Ssとは別に、地震調査研究推進本部の強震動予測レシピにより設定された断層パラメータを用いて、F―B断層をモデル化し、これに基づいて「確認用地震動」を策定した上で、Ssの妥当性を確認するよう意見を示した。

9日のWGでは、東京電力より、破壊開始点の不確かさなどを考慮し、断層モデル2案について別途、策定した確認用地震動により、解放基盤表面における評価結果が、F―B断層に関して先月、策定した基準地震動Ss―2とほぼ同レベルであることなど、評価結果について説明を受けた。WGでは24日、引き続き検討を行う。


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