[原子力産業新聞] 2008年10月30日 第2451号 <14面>

原産協会 ネットで意識調査 「関心少ない原子力」

日本原子力産業協会は28日、全国と立地市町村を対象に行った「エネルギー意識調査」の概要を発表した。

アンケート調査会社に登録している約80万人を対象に、インターネットで質問を送付し、9月下旬の6日間に回答が寄せられた2,235人のサンプルを回収、比較のため補充調査として別に原子力発電所の立地市町村を対象に243人からも回答を得た。分析は男女別、年代別に行った。

まず関心のある社会問題について聞いたところ、高い順に@食品の安全性71%A原油価格の高騰64%B地球温暖化62%C年金・社会福祉60%D凶悪犯罪46%E消費税45%F地震43%Gゴミ・廃棄物42%H少子高齢化38%Iエネルギー安定供給30%J原子力発電19%K人口増加9%――と続いており、「エネルギー安定供給」と「原子力発電」については、インターネット利用者ということでも、全国的にかなり関心が少ないことが浮き彫りとなった。

全国ベースと原発立地市町村を比較すると、「エネルギー安定供給」が各々30%と32%でほとんど変らないものの、「原子力発電」では全国ベースが18%なのに対し、さすがに立地市町村では関心が43%と高まっている。

今後10年に期待する電力供給源については、全国で高い順に@太陽光86%A風力55%B水力32%C原子力27%Dバイオマス26%E天然ガス19%F石油4%G石炭2%――の順で期待している。

これも全国ベースと原発立地市町村とで比較すると、全国ベースで期待度が27%だったものが、立地市町村では41%にまで高まる。

原子力発電について今後も必要だと答えた人について、男女別にみると男性が64%、女性が42%と、明らかに男性の支持が女性の支持より22ポイントも高く、男女差がかなりあった。

トラブル時のマスコミ報道について「不安をあおっている」と回答した人は、「そう思う」と「ややそう思う」を足すと60%と過半数を超える。

原産協会としては、今回の調査を政策提言活動や地域対話集会のための基礎資料とする目的で行ったもので、今後さらに詳細に分析・検討することにしている。


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