[原子力産業新聞] 2008年10月30日 第2451号 <6面>

「コミュニケーションが重要」 機械学会 震災対応で柏崎刈羽運転チーム表彰

日本機械学会の動力エネルギーシステム部門(部門長=佐藤幹夫・電力中央研究所エネルギー技術研究所研究参事)は24日、横浜市内で年次セミナーを開催し、合わせて永年にわたる功績や社会的貢献のあった個人・団体に対する表彰を行った。今回は、昨年の中越沖地震時にプラントの冷温停止操作を完遂した東京電力・柏崎刈羽原子力発電所の運転チーム(=写真)、秋山守・東京大学名誉教授らが受賞の栄誉に輝いた。

本年度は、動力エネルギーシステム分野での永年の功績を讃える「部門賞功績賞」を秋山教授、友野勝也・元東京電力副社長、吉識晴夫・東大名誉教授の3名が、同分野での社会的に顕著な活躍を讃える「部門賞社会業績賞」をクリーンコールパワー研究所が、部門の行う行事企画などでの顕著な貢献を讃える「部門一般表彰・貢献表彰」を柏崎刈羽2、3、4、7号機の運転当直・点検チームがそれぞれ受賞した。また、若手対象の「部門一般表彰・優秀講演表彰」などに計11名が選ばれた。

地震発生時に運転中または起動中だった4基のうち、4号機に携わっていた入沢善孝・柏崎刈羽発電所当直長は、「『ガツン』という強い衝撃を受け、すぐ『スクラム』を感じた」と、あの日のすさまじい揺れを思い起こした。その後の所内一同の連携により、プラントの冷温停止を達成したことについては、情報を共有し、正しく伝えるコミュニケーションの重要性を学んだとして、これら震災で得た教訓を「肝に銘じて任務に当たっていく」と所感を述べた。


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