[原子力産業新聞] 2008年10月30日 第2451号 <6面>

東大グローバルCOEが1年 国際シンポで活動をレビュー

東京大学の学際的取組、グローバルCOEプログラム「世界を先導する原子力研究イニシアチブ」(リーダー=岡芳明・同工学系研究科教授)は8〜10日、同学・本郷キャンパスで、創立1周年記念国際シンポジウムを開催した(=写真)。

本プログラムは設立から1年が経ち、米DOEの研究プログラム「I―NERI」になぞらえて、「GoNERI」(ゴー・ネリ)の略称も付き、国内外で活動の範囲を拡げてきた。「未来社会への鍵――エネルギー・セキュリティと原子力教育研究」と題する本シンポジウムでは、GoNERIの取り組む「原子力エネルギー」、「放射線応用」、「原子力社会学」について、これまでの活動成果を報告するとともに、米国、中国の大学関係者も交え、原子力教育研究の課題に関する討論、若手研究者によるポスター発表も行った。

リーダーの岡教授はシンポジウム冒頭、若手育成を通じた日本の競争力強化・大学改革、原子力の人文社会学の展開、「原子力村」からの脱却、サスティナビリティ・地球環境活動などとの連携、先鋭性・学際性を核とした学術の展開をポイントに、専攻横断型に活動してきた1年間を振り返った。今後のCOEの方向性としては、「原子力の情報・人材・研究資金がグローバルに自然に集まる状態」を掲げ、関係各界に対し、一層の支援を求めるなどした。


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