[原子力産業新聞] 2008年10月30日 第2451号 <6面>

「もんじゅ」改善不十分 保安院 特別保安検査報告

原子力安全・保安院は22日のもんじゅ安全性確認検討会に、9月に実施した第2回特別保安検査の結果を報告した。

この中で保安院は、行動計画の強化された組織が十分機能しておらず、外部の知見を学ぶ組織風土も希薄などと指摘。今後も同検査を継続し行動計画を確認するとともに、新検査制度における保守管理上の問題を考慮した保全プログラムになっているか保安検査などで確認する、との方針を示した。

9月1日から30日までの同検査で保安院は、ナトリウム漏えい検出器の不具合の原因究明、同漏えい警報発報時の連絡通報の改善、運転制限逸脱の判断の在り方、品質保証体制などを検証。その結果、原子力機構が行動計画に示す組織が実効的な役割を果たしているか、現状では確認できないとし、通報連絡などのマニュアルの見直しも途上と指摘。漏えい検出器の不具合の根本原因分析は組織・体制の観点からの検討が不十分としている。

安全文化・組織風土ではリーダーシップ、資源配分、責任分担などに関する改善策が具体化しておらず、外部からの指摘を真摯に受け止める姿勢が不十分で、外部の知見を率直に学び、積極的に取り込もうとする謙虚な姿勢がないと指摘。保守管理でも劣化の兆候の把握や保修が積極的に実施されておらず、課題があるとした。

来年1月施行予定の新検査制度では、使用前検査中の設備でも保全プログラムを作成し、計画的に劣化の状況を把握、健全性の維持が義務付けられる。


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