[原子力産業新聞] 2008年10月30日 第2451号 <7面>

三候補地で影響評価報告書 フィンランド

フィンランドの電力コンソーシアムであるフェンノボイマ社は9日、新規原子力発電所の建設候補地3か所で実施した環境影響評価(EIA)報告書を雇用経済省に提出し、いずれの地点においても周辺環境に有害な影響を及ぼすことはないと結論づけていることを明らかにした。

40か所以上の建設候補地の中から、フェンノボイマ社は6月までにピュヘヨキ、ルォッツインピュハター(2地点)、シモの3か所を最終的に選定。コンサルティング会社であるプーリ・エナジー社に委託して環境影響評価を実施していた。

作業は建設段階と操業段階の2種類に分けて行われており、建設段階については建設工事そのものの影響のほかに航行水路や港湾設備、冷却水の取排水構造、道路の接続状況、送電網などを評価。操業段階に関しては、取水と排水、放射性物質の放出、廃棄物管理、騒音、輸送、通勤者の通行量などの影響が評価項目に含まれている。

同報告書の結論部分でフェンノボイマ社は、「原子力発電所の建設プロジェクトはいずれの候補地でも周辺環境に有害な影響を及ぼすとは考えられない」と述べ、3か所すべてにおいてプロジェクトの準備を継続すると明言した。原子炉設計の選択も含めた最終的な判断は、政府と議会による「原則決定」が得られた後に下す考え。同社は来年初頭までに政府に対して原則決定を申請し、2012年頃に発電所を着工、2020年までに操業を開始する計画だ。


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