[原子力産業新聞] 2008年11月6日 第2452号 <2面>

総合科技会議 来年度施策に見解示す 「最重要政策課題」への重点化

政府の総合科学技術会議は10月31日、科学技術関係施策の重点化推進に向け見解をとりまとめた。来年度科学技術関係予算概算要求4兆858億円中、国立大学交付金等を除く1兆5,496億円を対象に、新規施策については、重要度の高い順に、S、A、B、Cの4段階判定、継続施策については、「着実または効率的に実施すべき施策」を基準に、「加速すべき施策」、「減速すべき施策」で評価した。

今回は、同会議が6月に決定した革新的技術、環境エネルギー技術といった「最重要政策課題」への重点化を通じ、「選択と集中」による強力な政策誘導を基本に据え、新規施策のS判定は、「革新型蓄電池先端科学基礎研究事業」の1件に絞り込んだ。今年度の概算要求に対して、昨年度に実施された新規施策優先度判定で、S判定は6件だったが、その中の「次世代軽水炉等技術開発費補助事業」(同20億円)については今回、継続課題として、研究開発の中核的機関選定、詳細なロードマップ策定など、実施体制を具体化し、「加速して実施すべき」との見解。

国家基幹技術の「高速増殖炉サイクル技術」(同426億円)については、「広報・広聴活動を国民対して十分に」、「人材育成や技術継承へ配慮」といった総合的見解の他、個別的見解として、「もんじゅ」では「トラブルが発生した場合には早急に関係各所に連絡する意識の醸成」など、指摘がなされている。

また、A判定には、新規施策計34件が選定されており、本紙関連では、経産省の「使用済み燃料再処理事業高度化補助金」(同20億円)、文部科学省の「活断層調査の総合的推進」(同4.6億円)などがある。


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