[原子力産業新聞] 2008年11月6日 第2452号 <3面> |
カナダ原子力公社 CANDU炉専用 新型燃料 開発で中国に協力カナダ原子力公社(AECL)は3日、中国で稼働するCANDU炉(加圧重水炉)への燃料供給が円滑に進むよう、新型燃料の共同開発で中国の第三秦山原子力発電公司(TQNPC)、中核北方核燃料元件公司(CNNFC)、および中国核動力研究設計院(NPIC)と正式に協力していくことになったと発表した。 この協力についてAECLは今年1月、NPICとの間ですでに了解覚書(MOU)の調印を済ませていた。今回、上海近郊で稼働する秦山第三期原子力発電所(=写真)(CANDU6型炉2基、各72.8万kW)の運開5周年記念式典が北京で開催されたのに合わせ、両者間の戦略的な協定が正式に締結されたもの。中国で建設されるPWRの使用済み燃料からウランを回収し、秦山第三期発電所のように中国内で稼働するCANDU炉で利用可能な燃料の技術を中加両国の科学者とエンジニアが共同で開発することになる。具体的な協力活動は中国でのみ実施される予定だ。 AECLの発表によると、同公社のH.マクディアミド理事長はまず、「中国では2020年までに軽水炉の設備容量が5,800万kW分に達する見込み」と指摘。その上で、今回の実証プロジェクトは、これらの軽水炉の使用済み燃料からウランを回収し、中国で稼働するCANDU炉の燃料供給を保証するための道を拓くことが目的だと説明した。 同理事長はまた、「軽水炉を補完するCANDU炉技術によって、中国は核燃料の輸入依存を大幅に軽減することが可能だ」と述べて、その利点を強調。同プロジェクトを補完するために、中国で豊富に産出されるトリウムをCANDU炉で利用する可能性についても実証プログラムの実施を予定していることを明らかにした。 |