[原子力産業新聞] 2008年11月6日 第2452号 <3面>

ロシアと中国 中国国内で FBR建設で協力へ

ロシアの国営原子力総合企業であるロスアトム社は10月17日、北京で開催した原子力に関する中国との定例会合で、中国の田湾原子力発電所への増設協力に加え、同国に80万kW級の高速増殖実証炉を協同建設するための了解覚書を作成することで合意したと発表した。

12回目となる今回の会合は、中ロ両国による首相レベルの定例会合開催準備の一環で開かれたもの。ロシア側からはロスアトム社のS.キリエンコ総裁率いる代表団が、中国側からは陳求発・国家原子能機構(CAEA)主任らが出席した。

中国では現在、ロシアの技術支援の下で遠心分離法ウラン濃縮施設を陜西省漢中で、高速実験炉(CEFR)を北京市郊外で建設中。また、江蘇省の田湾発電所ではすでにロシア型PWRであるVVER1000が2基(各106万kW)稼働している。

今回の会合で両者は、このような原子力平和利用分野における両国の交流の進展に満足の意を表する議定書に調印。今後の計画として、田湾発電所3、4号機の増設と、ロシアが国内で建設している80万kW級・高速増殖実証炉(BN−800)を中国で協同建設するための了解覚書案作成を双方の原子力当局に指示したとしている。

このほか両者は、次回第13回会合を来年にモスクワで開催することで合意に達した。


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