[原子力産業新聞] 2008年11月6日 第2452号 <4面>

【わが国の原子力発電所運転速報】 福島第一4号機が運開30年 定検ピークで、10月利用率57%

原産協会の調べによると、08年10月の国内原子力発電設備利用率は56.9%と、定期検査ピーク期を反映し、前月を下回る低水準となった。総発電電力量は208億6,818万kWh(前年同期比0.8%増)。

前月末時点で定検により停止中だったプラントはいずれも、10月も引き続き全期間停止したほか、18日には、東京電力福島第一1号機が定検入りした。

9月上旬の営業運転再開に向け、8月に調整運転を開始したものの、高圧タービン主蒸気入口配管付け根部を覆う保温材からの蒸気漏れに伴い、再び停止した日本原子力発電敦賀2号機だが、その後の点検により、タービン車室に取り付けられた静翼回転防止のための回り止めピンの溶接部など、計4箇所の傷が確認された。現在、原因特定・対策検討のため、研究機関で詳細調査・再現試験等を実施中。

その他、東北電力女川発電所構内の屋外電動機等点検建屋で10月3日、作業員の溶剤取扱ミスによる火災が発生、また、原電東海第二発電所雑固体減容処理設備でも14日、溶融物流出起因と思われる発煙があったが、いずれも公設消防による鎮火等確認がなされ、大事には至らなかった。

なお、東京電力福島第一4号機は12日、運転開始から丸30年を迎えた。福島県内の原子力発電所としては、同1、2、3、5号機に次ぐ5基目のプラントとして78年にデビューした。

ちなみに、東京電力柏崎刈羽全基など、長期停止プラント(計10基)を除いた場合、10月の設備利用率は71.6%となる。


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