[原子力産業新聞] 2008年11月13日 第2453号 <3面>

ハンガリーからロシアに 使用済み高濃縮ウランを輸送

米国の国家核安全保障局(NNSA)は10月23日、ロシアがソビエト連邦時代にハンガリーに供給した高濃縮ウラン(HEU)の使用済み燃料、約154.5kgを無事にロシアまで輸送し終えたと発表した。

NNSAは2000年に米国議会が米エネルギー省内に設置した機関。原子力の軍事利用を通じた米国の国家安全保障促進に責任を有し、政府関連の核物質や兵器の輸送についても安全を保障する責任を担っている。

NNSAによるロシア起源のHEU使用済み燃料の輸送は、チェコ、ラトビア、およびブルガリアからの輸送に続いて今回で4度目。冷戦時代にソビエトは多くの同盟国の研究炉にHEUを供給しており、NNSAはロシアを含む関係国や国際原子力機関、およびユーラトムの協力の下、これらの使用済み燃料を安全裏にロシアに送り返すことに成功したとしている。

輸送に当たりNNSAは、使用済みHEUを専用の輸送キャスク13基に封入、それらを特殊コンテナに格納した上で鉄道と特殊装備船を使って貯蔵所まで搬送した。


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