[原子力産業新聞] 2008年11月20日 第2454号 <1面> |
産構審環境小委 電事連、CO2削減策示す 原子力利用率の向上に全力電気事業連合会は13日の産業構造審議会地球環境小委員会の資源・エネルギーWGに、90年度以降最悪となった07年度のCO2排出原単位を踏まえた自主行動計画における今後の対策を報告した。柏崎刈羽原子力発電所が12年度までの排出量に与える影響は、現時点で見通せないものの、対策の第一に原子力発電の推進を掲げ、設備利用率向上や立地推進を進める方針を示した。 電気事業の自主行動計画は、外部購入を含めた電事連関係12社の全販売電力が対象。07年度の実績は使用電力量が前年度比3.5%増の9200億kWh、CO2排出量が同14.2%増の4億1700万トン、CO2排出原単位が同10.5%増の0.453kg−CO2/kWh。排出量、原単位ともに統計のある90年度以降最悪で、同計画目標である08〜12年度の5年間平均のCO2排出原単位0.34kg−CO2/kWhに対し、25%削減する必要がある。 07年度の原子力設備利用率は同9.2ポイント減の60.7%で、仮に原子力発電所が長期停止の影響を受けていない実績値84%で運転した場合、排出量は約0.63億トン削減、原単位は0.385kg−CO2/kWhになるとした。 柏崎刈羽の動向は、排出原単位に大きな影響を与えるが、電事連は今後実施予定の対策として、原子力発電の推進に最大限の努力を傾注する方針を強調。設備利用率向上のため状態監視保全、オンラインメンテナンス、柔軟な運転サイクル、定格出力の向上などの保守管理技術や検査技術などに取組むとともに、12年度までに原子力発電所2基(泊3号機、島根3号機)の運転開始を確実に進めるとした。 長期的な対応でも原子力の新・増設などに全力を挙げ、20年度までに原子力を中心とする非化石エネルギー比率50%を目指す。電力10社で20年度までに全国約30地点で約14万kWのメガソーラー発電所の建設計画なども説明した。 |