[原子力産業新聞] 2008年11月20日 第2454号 <1面>

泊3プル計画  検討会議が素案 地元自治体が了解へ

北海道電力・泊発電所3号機(=写真)のプルサーマル計画を検討するため、北海道と地元4町村が設置した「プルサーマル計画に関する有識者検討会議」(会長=成田正邦・北海道大学名誉教授)は16日、札幌市内のホテルで第8回会合を開催、「安全性を確保できる」とする報告書素案をまとめた。来月の次会合で最終案を審議、各自治体に報告する予定で、同計画は近く地元自治体の事前了解が得られる見通しとなった。

北海道電力がプルサーマル実施のため、地元自治体に事前協議を申し入れたのは今年4月。北海道と泊村・共和町・岩内町・神恵内村は5月に検討会を設置、専門家からの意見聴取など安全性の審議を進めてきた。

検討会では計画の安全性に関し、MOX燃料の製造・輸送・搬入・貯蔵をはじめ燃料健全性への影響、原子炉の制御性、使用済みMOX燃料の貯蔵・搬出・輸送・再処理・処分、平常時および事故時の周辺への影響など主要24項目の論点について審議。報告書の素案では各項目について、推進と反対の両意見を併記した上で、いずれも安全性は確保されるとする意見を妥当とした。

最終報告ではこうした審議結果とともに国の厳格な審査、事業者の安全管理体制の充実、自治体の住民への周知などを求める方針。北海道電力は各自治体の事前了解が得られた後に、国に設置変更許可申請を提出する。

泊3号機は先月20日現在で、建設工事進捗率95%で、来年12月に営業運転を開始の予定。


Copyright (C) 2008 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.