[原子力産業新聞] 2008年11月20日 第2454号 <2面>

IAEA 次期事務局長選挙で 南アのミンティ氏も立候補

国際原子力機関(IAEA)のモハメッド・エルバラダイ事務局長が3期12年の任期を務め、来年11月に退任することを受けて、IAEAでは今年末まで次期事務局長の立候補を受付けている。

現在のところ、正式に立候補表明しているのは、日本の天野之弥・ウィーン国際機関代表部大使と、南アフリカのアブドール・ミンティIAEA理事の2人のみ。このほか、国際社会の中では数人の人の名前も上がっているが、まだ確かなものとはなっていない。

日本政府は、麻生太郎首相が9月25日の国連総会一般演説の中で同氏擁立を明らかにした後に、外務省に外務大臣を本部長とする「次期IAEA事務局長選挙対策本部」を設置して、全面的な支援活動を行っている。天野大使の国際社会での活動ぶりや仕事の実績などをまとめた英文冊子なども作って、同氏の存在をアピールしている。

来年3月まで理事会議長による非公式協議が行われ、その結果は同月の理事会に報告。その時点で候補者が一人に絞られていない場合は、投票プロセスに入る。

IAEA理事会は、35の理事国から構成され、当選には3分の2(24票)以上の支持が必要となる。

来年6月の理事会までに投票プロセスを通じて候補者を1人に絞り込み、同理事会で任命が行われる予定。同9月総会で正式に新事務局長の承認が行われる。任期は来年12月から2013年11月までの4年間。

日本人によるIAEA事務局長への立候補は、81年の今井隆吉・元クウェート大使以来。


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