[原子力産業新聞] 2008年11月20日 第2454号 <3面>

核燃料ネットワーク 中国で総会 四川省の工場も視察

世界核燃料安全ネットワーク(INSAF)は3日から5日まで、中国四川省の成都で第8回総会を開催した。

INSAFは99年の日本のJCO事故を契機に2000年に発足した世界規模の核燃料安全ネットワーク。現在、15か国から19の核燃料サイクル事業者・機関が加盟しており、会員間の安全情報交換の場となっている。

今回の総会では、新たに加盟したロシアのTVELコーポーレーションを含め、11か国(アルゼンチン、フランス、中国、ウクライナ、スペイン、ブラジル、日本、韓国、南アフリカ、米国、ロシア)から17の事業者・機関が参加。意見交換の議題としては各国のトラブル情報や放射線管理、環境管理、および廃棄物管理の安全が取り上げられた。日本からはグローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン、原子力研究開発機構、日本原燃、三菱マテリアル、三菱原子燃料、および原子燃料工業が参加し、三菱マテリアルの秋元勇巳名誉顧問はホスト国・中国の参加者とともに会議の共同議長を務めた。

参加者達は4日には、中国を代表してINSAFに加盟している中核建中核燃料元件公司(CJNF)主催の核燃料サイクルの安全に関するセミナーにも参加した。同セミナーでは中国国家原子能専家の宋所長やCJNFの暢社長らが講演し、INSAF参加者と中国の原子力計画や原子力安全規制、核燃料サイクル開発計画、および原子力安全管理に関する意見交換も行われた。

参加者達はまた、5日には四川省宜賓にある核燃料加工工場を視察した。同省では今年5月にマグニチュード7.6の地震が発生。加工工場では施設や周辺に特に被害はなかったが、今後は地震への対応策も進めていくとの説明を受けた。

なお、次回の総会は09年11月に南アフリカで開催される予定である。


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