[原子力産業新聞] 2008年11月20日 第2454号 <3面> |
モホフチェ3、4号機 建設工事を再開 スロバキア電力とイタリア電力イタリア電力公社(ENEL)は3日、スロバキアで10年以上中断していたモホフチェ原子力発電所3、4号機(各44万kW、VVER2基)の建設作業を再開したと発表した。同社はスロバキア電力公社(SE)の株式の67%を保有しており、両機の完成はスロバキア政府がSE株を売却した際の条件となっていた。 ENELの発表によると建設作業の再開は、両機の設計に十分な安全性改善対策が施されたことを同国の原子力規制当局が承認したほか、欧州委員会(EC)が両機の設計に安全基準に関するEC勧告が盛り込まれたことを確認したため実現した。SEは年内にも両機の運転認可取得や起動の際に必要となる環境影響評価手続きを実施する予定で、3号機の運転開始は2012年、4号機は翌13年となる予定だ。 このプロジェクトのためにSEが投資する総額は約28億ユーロに達する見込みだが、両機が完成すれば、スロバキアの電力需要の22%を賄えるとENELとSEは予想している。両機の建設作業は1986年に開始されたが、同国経済の衰退により92年に中断。土木建設工事の70%、機器供給は30%完了していたという。 スロバキアは2004年に欧州連合に加盟しているが、その際、同国で稼働していたボフニチェ、モホフチェ両原子力発電所のうち、ボフニチェ1、2号機は安全上問題のあるモデルであったため、加盟の条件として閉鎖を義務付けられた。同1号機はすでに2006年に閉鎖され、同2号機は今年末に閉鎖予定である。 |