[原子力産業新聞] 2008年11月27日 第2455号 <2面>

ITER理事会 調達取決めに調印 「加盟極の結集継続」要請

ITER理事会が19、20日、建設地フランス・カダラッシュで開催、「地球規模での科学のマネージメント」と題する共同コミュニケをとりまとめ、ITERが、未来のための安全で持続可能なエネルギー源として、実現可能性を証明する唯一の計画であることを参加各極間で確認し合った。日本からは、坂田東一・文部科学審議官他が出席。

昨秋のITER機構発足から数えて3回目となる今理事会では、去る6月に青森で行われた理事会からの進捗状況について、池田要ITER機構長が報告するとともに、機構の急速な発展と、すべての加盟極の技術、経験、期待の統合を焦点に、「ITERは、地球規模での科学の協力の新たなモデルを築くものであるが、この勢いを維持するために、加盟極からの結集した努力と継続的な支援を必要としている」と述べた。

前回の理事会で精査することとされた、資源見積もりについては、評価委員会より、効果的な運営システムとともに、根拠の確かなコストとスケジュールのベースライン確立のための勧告がなされたほか、計画を前進、運営を効率化、コストを抑制するよう、ITER機構と国内機関間の協力強化に関して、さらに統合化したアプローチを指摘した。

事業の進捗としては、日本のトロイダル磁場コイル巻線・構造物などを含む、欧州、日本、韓国の国内機関による計5件4億1450万ユーロの調達取り決め調印など、建設に向けた合意がなされた。将来の核融合発電のためのテストブランケット・モジュール計画についても合意した。


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