[原子力産業新聞] 2008年11月27日 第2455号 <4面>

湾岸協力会議 初の原子力国際シンポ
GCC以外から数十名が参加

初日の午後からは、第3日の午後まで2日半にわたって技術セッションが開催された。参加者は、GCC国以外から約50名、サウジアラビアおよび他のGCC国からも数十名が参加していた。日本からの参加は、筆者と柳澤和章氏(日本原子力研究開発機構)の2名。

講演は全部で50件で、サウジアラビアから8件、GCC国以外は全て招待講演で42件。国別の内訳では、米国18件、ロシア3件、日本・エジプト・トルコ・バングラデシュ各2件、フランス・カナダ・オーストリア・スイス・スウェーデン・ブラジル・中国・ドイツ・ニュージーランド・パキスタン各1件。

今回のシンポジウムの企画に当たっては、KAUのスタッフのネットワークを利用して、原子力導入に関わる各分野の人を各国から選考・招待したとのこと。原子力プラントメーカーや電力会社からの参加はなく、大学・コンサルタント(会社)・研究機関などの専門家がほとんどであった。

講演内容は多岐にわたり、原子力導入計画に関わる多くの分野を網羅していた。

すなわち、原子力導入の基本戦略から導入ステップ、規制・知的所有権などの法整備、原子力計画先行国の経験、教育・研修・人材開発の方策、安全・核拡散防止・施設防護、世界の軽水炉技術の展望、高温ガス炉やその他の革新的原子炉の提案、原子力の将来技術、原子炉運転訓練シミュレーター、原子炉解析計算手法、原子力海水脱塩、研究炉の経験・燃料、核科学研究手段としての加速器、石油工業などでのRI利用、RIの医学利用、放射線測定、非破壊検査など。

筆者の講演(=写真)は、ここ数年研究・調査を行っている「原子力と化石燃料を使用する協働的エネルギー転換プロセス」と題するもの。化石燃料を発電・水素製造・液体燃料製造などに使用する際に、原子力熱を供給することによって加熱のための化石燃料の燃焼を避け、エネルギー転換効率向上・化石燃料節減・二酸化炭素排出削減を可能にする将来技術の展望を行った。


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