[原子力産業新聞] 2008年11月27日 第2455号 <4面>

湾岸協力会議 初の原子力国際シンポ
原子力計画の今後の進め方

サウジアラビアの科学技術機構・原子力研究所からは、「GCC国原子力計画の今後のステップ」と題する講演があった。GCC国が原子力導入計画を決定した後、IAEAとの共同予備調査をもとにまとめたレポートで、GCCの今後の原子力導入方針を知る上で参考になる。以下その概要。

GCC国はIAEAと共同で、「GCC地域における原子力発電・海水脱塩の予備的可能性調査」を実施した。この調査で、原子力導入に必要なインフラが整備された場合、想定した経済性評価条件下では、原子力はGCC地域の将来の発電・海水脱塩のコスト低減のために不可欠であることが示された。ここでは、原子力はGCC市場に2018年頃〜2025年頃に導入をめざしている。

原子力インフラの整備に関しては、タイムスケール、人的資源・研修、規制体制、利用可能な発電プラント技術、コスト、資金確保・経済性、燃料供給確保、技術支援・機関、法整備、廃炉、使用済み燃料・廃棄物処理、情報公開などについて、必要なステップ、主な課題などを検討している。

さらに、参画する必要がある国際条約・協定やIAEA規則文書の調査、GCC各国ごとに必要な法律やインフラの整備の現状の調査を行い、GCC各国ごとに今後取るべき方策をまとめている。

最後に、原子力がGCC加盟各国に組み込まれることが決定されれば、サイトの検討、廃棄物処理のコンセプト検討、インフラ整備実行計画、重要な多国間協定整備などを検討するGCC各国の多分野の専門家からなる永続的な「技術ワーキンググループ」の速やかな結成が必要としている。


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