[原子力産業新聞] 2008年11月27日 第2455号 <4面>

湾岸協力会議 初の原子力国際シンポ
欧米との政府間協力協定も締結

GCC全体の原子力導入に向かっての共同的取り組みとともに、GCC各国では安全・許認可などの法・体制の整備、人材育成、「原子力計画実施機構」(NEPIO)の設立など、原子力導入に向かっての準備が進められる。

中東の経済は年率5%以上で拡大し、電力需要は次の10年間に世界平均の約3倍の年率7〜10%で増加すると見込まれている。現在、GCC6か国の電力設備容量は約100GWeで、そのほかに海水脱塩の需要も大きい。世界エネルギー協議会の予測によると、GCC6か国は次の10年に100GWe、2030年までにはさらに200GWeの設備容量を必要とし、そのうち90GWeは原子力によるとしている。

このように原子力導入の必要性が差し迫ってきたことから、最近のニュースにあるように、アラブ首長国連邦がフランスのアレバ社等3社とEPRの建設について協力協定を締結するなど、各国の原子力発電建設に向かっての具体的動きが急になってきている。米国、英国、フランスなどは、GCC国と個別に原子力協力協定を結ぶなど、政府間の協力も進んでいる。

サウジアラビアからの発表では、「バレル47ドル以上なら原子力がコスト的に有利」と述べていたが、原子力の導入が長期経済的にも有利な見通しとなると、中東の原子力シフトは一層加速されることになろう。


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