[原子力産業新聞] 2008年12月11日 第2457号 <2面> |
近藤委員長 プルサーマル進展などを評価 リスク管理の必要性も指摘原子力委員会の近藤駿介委員長は2日の定例会議後の記者懇談会で信頼確保、自然災害、研究開発、国際協力など今年の年頭所信で示した重要課題について感想を述べた。この中で竣工が遅れている日本原燃の六ヶ所再処理施設では、「改めて実用化へのリスク管理の重要性を感じさせられている」と語った。 信頼回復では、「プルサーマルが電力各社の尽力で少しずつ進展してきた」とし、新検査制度については、「信頼性中心のメンテナンスが制度として整備され、活用の段階に入る」とした。また高レベル放射性廃棄物では「難しい状況、前進しているとは言えない。国民に問題を理解して頂きたい。今後2、3年で目鼻が付かない場合、再検討も必要では」と今年7月に同委員会の政策評価部会が取りまとめた「放射性廃棄物の処理・処分の取組みの評価」の考え方を改めて示した。 耐震安全性では、「過去の知見が不十分であったという事で、再評価をきちんとする。その作業はほぼ終結段階に入っている」とした。 研究開発関連ではITER、J―PARCの計画通りの進捗を評価。高速増殖原型炉「もんじゅ」では、「年頭所感の時点では大きな問題があると思っていなかったが、なお苦労している。適切な資源配分や気配り・目配りの利いたリスク管理が必要で、コミットできないことをコミットすることも問題」と指摘した。 六ヶ所再処理は、実用化へのリスク管理の重要性を指摘するとともに、ガラス固化工程について、「東海再処理施設とは溶融炉の大きさが異なるが、ガラス固化体の大きさは同じであり、単なるスケールアップではなく新しい知見が必要では」などと述べた。 |