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[原子力産業新聞] 2008年12月18日 第2458号 <2面>

米オバマ次期大統領 DOE長官に 物理学者のチュー氏指名

米国のB.オバマ次期大統領は15日、来年1月に発足する民主党新政権のエネルギー省(DOE)長官としてローレンス・バークレー国立研究所(LBNL)のスティーブン・チュー所長(=写真)を指名したと発表した。

カリフォルニア大バークレー校の物理学教授でもあるチュー所長は、レーザー光で原子を極低温に冷却・捕獲する方法の研究で1997年にノーベル物理学賞を受賞。78年から87年までAT&Tベル研究所の研究スタッフとして勤務した後、04年までスタンフォード大の応用物理学部で教授を務めた。その後、気候変動問題に関する造詣を深め、LBNLに入所。同研究所を代替・再生可能エネルギー研究の世界的な中心機関とすべく牽引していた。

原子力発電について同氏は、過去のインタビューで「米国のエネルギー供給構成要素とすることに異論はない」とする一方、廃棄物の処分関連では「監視に要する期間を千年レベルまで減じることが出来れば、ユッカマウンテンは必要ない」と答えたとも伝えられている。

チュー氏の指名に関する声明の中でオバマ次期大統領は、「新政権が科学を重んじ、事実に基づいた判断を下すというメッセージだ」と強調している。


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