[原子力産業新聞] 2009年1月6日 第2459号 <1面> |
原子力関係の来年度予算政府案決まる 今年度比微減の4462億円政府は12月24日、来年度予算案を閣議決定した。原子力関係は文部科学省と経済産業省を合わせ今年度予算比1.5%減の4462億円で、文科省が同3.4%減の2525億円、経産省が同1%増の1937億円。概算要求に対し文科省が約8%、経産省が約5%削減されたが、FBRなどの技術開発を中心に増額し、必要予算を確保した。経産省の六ヶ所再処理施設の次期ガラス溶融技術開発は、来年度16億円となった。 文科省の主要プロジェクトでは国家基幹技術のFBRサイクル技術の研究開発が同20%増の347億円と大幅に増額したほか、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術開発が同額の87億円、ITER計画が同8%増の111億円、J−PARCが同22%減の148億円など。J−PARCの減少は今年度で建設がピークを超えるためで、これが全体の同3%あまりの減少に影響した形となった。 このほかでは重粒子線がん治療研究が同9%減の53億円、原子力基礎基盤研究が同60%増の8億円、提案型公募事業の原子力システム研究開発が2%減の58億円などで、新規では原子力機構と福井大学の協力による連携大学拠点に1億円を確保した。研究施設等廃棄物対応(積立金)は同額の43億円。文科省の区分上、原子力に含めないが、X線自由電子レーザーは同6%減の104億円になった。 経産省は技術開発や国際貢献など原子力の推進が同13%増の224億円、交付金等の地域共生が同2%増の1314億円、原子力安全・保安院が同3%減の317億円となった。 技術開発では次世代軽水炉開発の同58%増の19億円、FBRサイクル開発の同23%増の53億円を中心とする先進的原子力発電技術開発が同34%増の86億円で、全炉心MOX燃料技術、新型遠心分離機、回収ウラン利用開発、六ヶ所再処理施設のガラス溶融炉など核燃料サイクル関係が同25%増の60億円。新規の同溶融炉は要求の20億円に対し16億円が認められた。このほか海外ウラン探鉱支援事業が同17%減の10億円、世界的な原子力発電導入への貢献が同額の12億円、放射性廃棄物対策が同9%減の53億円など。 保安院関係では、耐震性評価技術の試験・調査の同18%増の17億円をはじめ、高経年化対策の同20%増の17億円、再処理施設保守管理技術調査の同45%増の2億円、中間貯蔵施設基準体系整備事業の同3倍の2億円などが大幅に増額されている。 |