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[原子力産業新聞] 2009年1月6日 第2459号 <1面>

中部電力 「浜岡リプレース計画」決定 1、2号廃止、6号新設

中部電力は12月22日の取締役会で、長期停止中の浜岡原子力発電所(=写真)の1、2号機を廃止、代わりに6号機として5号機と同じ140万kW級ABWRを新設する「浜岡原子力発電所リプレース計画」を正式に決定した。敷地内に全号機共用の使用済み燃料乾式貯蔵施設も建設する。三田敏雄社長は同日、こうした計画を御前崎市長や静岡県知事に申し入れた。

6号機は5号機の東側に設置、2015年着工し20年頃の営業運転開始を計画する。

廃止する1号機(BWR、54万kW)は76年に営業運転を開始、01年11月に余熱除去系配管が破断事故を起こして以来、耐震安全性見直しなどもあり、現在まで長期停止中。2号機(同、84万kW)は78年営業運転開始、04年2月からの定期検査入り後、耐震安全性見直しなどで停止している。

同社では当初、1、2号機でも3〜5号機と同様に、解放基盤表面で最大加速度1000ガルの地震動に耐えられる耐震裕度向上工事を実施する計画を策定。同工事を11年3月までに終え、運転再開するとしてきた。

しかし3〜5号機の1プラント当たり数十億円から100億円程度の同工事費に対し、1、2号機は合わせて3000億円程度、期間も10年以上が必要との結論になり、経済性に乏しいとの判断から今回の計画を決定した。1、2号機では、炉心隔壁(シュラウド)なども取替の必要があるという。

使用済み燃料乾式貯蔵施設は16年度の使用開始を目標に建設する計画で、貯蔵量は700トン・U程度を予定している。

同社では、1、2号機の運転終了に伴い、今年度決算で約1550億円を損失処理する。

一方、石原茂雄・御前崎市長は申し入れに対し、個人的には納得したが議会での審議を優先したいとの考えを示した。


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