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[原子力産業新聞] 2009年1月6日 第2459号 <3面>

日本と国連 チェルノブイリ被災地で 研究情報国際ネットワークに拠出 【12月17日=松木良夫(キエフ)】

日本政府と国連は11月18日、「チェルノブイリ事故被災地域におけるICRIN(チェルノブイリ研究情報国際ネットワーク)を通じたコミュニティと住民の人間の安全保障促進」に対し、人間の安全保障基金を通じて、約261万ドル(約2億3000万円)の支援を行うことを決めた。

このプロジェクトは、国連開発計画(UNDP)、国際原子力機関(IAEA)、世界保健機関(WHO)及び国連児童基金(UNICEF)がウクライナ、ベラルーシ共和国およびロシア連邦で実施するもの。1986年4月のチェルノブイリ事故後、政府機関、報道機関などから提供された健康と環境への影響に関する情報に対して、被災地域住民が懐疑的になり、放射線に関する衛生・安全上の勧告に従わなくなってしまった状況を改善しようとするもので、次の活動を行う。

▽被災地域のニーズ調査を実施し、人々のニーズに適う実用的で信頼できる情報データベースを設立し、インターネットを通じて配信する。

▽コミュニティ・ベースの情報発信キャンペーンを通じて、地元の利害関係者に対し新たに提供された情報を実際の生活で活用するための訓練を行う。

▽インターネット上の情報および教材へのアクセスを改善するため、15ヵ所の情報アクセス・ポイントを開設する。

▽より健康的で安全な生活習慣を普及させるための訓練およびワークショップの開催を通じて、地元の当局関係者、報道関係者、教員、医療従事者、放射線技師、NGOなどの能力を強化する。

▽健康、環境および社会経済の回復を目指す地域コミュニティによる小規模な事業の実施を支援する。

この地域コミュニティによる復興開発活動は、2002年末よりUNDPとウクライナ政府が開始したチェルノブイリ復興開発プログラムにより、すでに開始されており、被災地域の一部で成果を挙げている。日本も、カナダ、スイス政府と共に、同プログラムに3年間拠出した実績がある。

本プロジェクトの実施により、情報の欠如および被災地の行動様式や理解の改善が期待されている。


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