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[原子力産業新聞] 2009年1月8日 第2460号 <1面>

原子力委員会 日印協力の検討開始へ 年頭所信で表明 政策大綱改訂も俎上に

原子力委員会は6日の定例会議で年頭の所信を発表した。この中でインドとの協力のあり方を議論する場の設置とともに、重要施策の進捗状況や国際環境の変化を踏まえ、原子力政策大綱の改訂を行うべきかも検討を進めていくことを明らかにした。

所信は今年の重要な取組みとして原子力発電、核燃料サイクル、放射性廃棄物の処理・処分、放射線利用、研究開発、国際対応、人材育成などの各課題について、同委員会の考え方を示した。

国際対応では、「国は民間と協力しつつ、原子力産業の国際展開のための環境を整備すべき」とするとともに、我が国が当該国の3Sへの取組みを含む技術的・社会的基盤を整備するための多国間協力に積極的に参加することを求めた。

インドに関しては、主要国との原子力通商が活発化しており、「日印は原子力分野において如何なる協力を推進するのが適切か、真剣な検討が開始されるべき」と提起。近藤駿介委員長は、「原子力委員会として、インドとの関係を議論してみたいと考えており、我々は何を目指すかという点を検討することが重要。日印の顔が見える議論も必要なのではとも考えており、どういう場を設けるかについて工夫したい」と述べた。

原子力委員会は06年から07年にかけて国際問題懇談会においてインドに関する情勢を分析し、「インドをめぐる国際的な原子力協力の動きにかかわる現状」をまとめているが、新しく設置を検討する場は、同懇談会より踏み込んだ議論を行うことになる。

一方、原子力政策大綱改訂の必要性の検討は、06年4月から継続的に審議してきている政策評価部会でのテーマ毎の評価状況などを踏まえて行う。同部会は今年4月頃までには主要テーマに関する評価を終える予定で、委員会はこれ以降、改訂作業を開始すべきかを本格的に検討することになる。近藤委員長は、「現行の政策大綱は閣議決定されたもので、改訂を始めるには、誰もが改訂が必要と納得できるよう説明する責任がある」とも述べた。

このほか原子力発電では設備利用率の向上、プルサーマルの実現、出力増強などへの着実な取組みを要請。核燃料サイクルでは、六ヶ所再処理工場のガラス固化設備について慎重な設備の特性の検証が必要とするとともに、「もんじゅ」の運転再開では必要な補修や運転管理組織の練度の向上、耐震安全性の確認作業への総力を挙げた取組みを求めた。


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