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[原子力産業新聞] 2009年1月15日 第2461号 <1面>

九電・川内3号機 19年度の運開を計画 地元自治体に申し入れ 国内3基目のAPWRに

九州電力は8日、鹿児島県と薩摩川内市に対し、川内原子力発電所3号機増設を検討するための環境調査結果を報告するとともに、同計画を正式に申し入れた。3号機は電気出力159万kWの改良型PWR(APWR)で、建設費は約5400億円、2013年度に着工、19年度に運転開始を計画している。

8日は眞部利應社長が県庁に伊藤祐一郎鹿児島県知事、立地担当の田中征夫副社長が市役所に岩切秀雄薩摩川内市長を訪ね、同調査結果報告書を提出するとともに、立地に向けた協力を要請した。伊藤知事は、住民説明会の適切な実施など、県民への説明責任を適切に果たすことを求めるとともに、現有炉の安全運転の一層の強化を要請した。

3号機は1、2号機の北側に隣接して建設する計画(=図)で、APWRとしては現在、建設準備工事中の日本原子力発電の敦賀発電所の3、4号機(ともに153.8万kW)に続き3基目となる。

同社は03年10月から3号機増設を検討するための環境アセスメント(環境影響評価)、地質調査、気象調査などの環境調査を開始、先月までに終了し、150万kW級原子力発電所の設置が可能なことを確認した。

環境アセスメントでは、計画地点が川内川流域県立自然公園に位置していることから、公有水面の埋め立てなど地形の改変を必要最小限とし、冷却水の放水は水中放水方式を採用。地質調査では、基礎岩盤が1、2号機と同程度に強固であること、風向・風速等の気象特性も1、2号機と同様なことを確認した。

なお、同社は環境影響評価法や電気事業法に基づく環境アセスメント準備書を同日、経済産業大臣に届け出るとともに各自治体の首長に送付。13日にはこの公告、縦覧方法や説明会の日程なども公表した。


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