[原子力産業新聞] 2009年1月15日 第2461号 <3面> |
韓国 国家発電戦略を公表 2022年までに原子力シェア48%に韓国の知識経済省(MKE)は7日、2022年までの国家発電戦略を公表し、原子力による発電量を同国の総発電量の48%(現在34%)まで拡大する計画であることを明らかにした。 この戦略は、昨年9月にMKEが公表した「国家長期エネルギー計画」(2030年までにエネルギー効率を46%改善することが目標)の一部となるもの。地球温暖化の防止と電力の安定供給を目標に、電力業界や市民団体、学識経験者らから聴取した意見を元に、発電や環境科学を専門とする科学者96名が作成した。 それによると、韓国では2022年までに電力需要が年率2.1%で増加していくと見込まれるため、政府は37兆ウォン(約285億ドル)を投じて3237万kW分の新規発電設備を建設してこれに対応する。この中には12基の原子力発電所が含まれるほか、7基が石炭火力、11基がLNG火力となる予定だ。 地球温暖化防止が目的の1つであることから、MKEは同戦略の策定に当たり、すべての発電方式について経済性を分析。運転コストを計算する際には、CO2の排出が環境に与える影響について考慮しているのが特徴で、原子力が石炭火力より優れていることを確認したとしている。 このことから、MKEは2022年までに総発電設備に占める原子力の割合を08年実績の24.8%から33%に増強することを計画。石炭とLNGはそれぞれ、29%と23%に減少することになる。発電量においても原子力の割合は08年の34%から48%に拡大する予定で、現在22%を占めているLNG火力の割合は6%まで縮小されるとしている。 |