文字サイズ
[原子力産業新聞] 2009年1月22日 第2462号 <1面>

UAEと協力文書に署名 新規発電導入を全面支援

日本政府は19日、アラブ首長国連邦(UAE)との間で、同国が進める原子力発電開発に関する協力文書に署名した。

同国を訪問中の吉川貴盛・経済産業副大臣とアルアリャーニ・UAE外務次官がアブダビ市内で署名した(=写真、経済産業省原子力政策課提供)。吉川副大臣は同国で開催された「第2回ワールド・フューチャー・エナジー・サミット」にも出席していた。

協力の範囲は、@原子力発電開発の準備・計画・推進に関する支援A原子力発電開発に係る訓練・基盤整備・人材育成B原子力安全、放射線防護、緊急時対応、放射性廃棄物管理C原子力発電所のセキュリティD一般公衆への啓蒙及び教育――など。協力期間は3年間で、両者の合意により延長することができる。

UAE政府は昨年4月、原子力エネルギー平和利用の開発方針を公表。20年の電力需要を4,000万kWと予測、現状では約2,200万kW不足すると試算し、17年に初号機の原子力発電プラントの運転開始を目指すとしている。同方針には濃縮、再処理など燃料サイクル関連施設は建設しないと明記するとともに、透明性のある原子力発電事業を展開するため、首長国原子力会社(ENEC)を立ち上げる計画も示している。

原子力発電導入に向け、主要国との関係も構築中で、昨年4月から5月にかけて米国、英国および仏国と平和利用協力のための覚書などに署名。米国は今月15日に原子力協力協定に調印した(3面に記事)。

我が国は法的拘束力のある条約レベルの原子力協力協定をカナダ・米国・英国・豪州・フランス・中国と締結、法的拘束力のない協力文書をインドネシア、ベトナムとの間で署名しており、UAEはこうした文書を交わす国として3か国目、産油国では初めてとなった。


Copyright (C) 2009 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.