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[原子力産業新聞] 2009年2月12日 第2465号 <3面>

処分場の影響評価で基準公表 カナダ安全委

カナダ原子力安全委員会(CNSC)は1月26日、オンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社がオンタリオ州のブルース原子力発電所サイトで建設・操業を計画している低中レベル放射性廃棄物深地層処分場(DGR)について、環境影響声明書(EIS)を準備する際の最終ガイドラインと、環境評価を担当する共同審査パネル(JRP)との合意文書を公表した。

EISのガイドラインは、処分場建設計画が環境に及ぼす可能性のある影響について詳細な分析結果を明記したEISをOPGが準備するにあたって必要となる情報を特定。また、処分場のサイト準備と建設を認可する際の要求項目がリストアップされている。

一方、JRPの合意文書は、JRPの果たす具体的な役割や、環境アセスメントの実施および認可申請書の審議に必要な参照項目を定めたもの。これら2つの文書の草案は、すでに昨年4月から6月までの間に公開協議に付されており、そこで得られたコメントを斟酌(しんしゃく)して今回の最終版がまとめられた。

OPG社はオンタリオ州内でブルース、ピッカリング、ダーリントンの3サイトで20基の原子炉を運転しており、これらから排出された低中レベル放射性廃棄物は現在、ブルース発電所サイト内のウェスタン廃棄物管理施設(WWMF)に貯蔵している。OPGはDGRにこれらの放射性廃棄物、および今後排出される廃棄物など16万立方メートルを受け入れる計画。

次の段階の作業としては、CNSCによるJRPメンバーの指名やOPGによるEISと認可関係書類のJRPへの提出、およびEISに関する公開協議の実施などが予定されており、OPGとしては2012年に着工、2017年以降の操業開始を目指している。


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