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[原子力産業新聞] 2009年2月19日 第2466号 <3面>

ロシアと独シーメンス社 原子力発電分野で協力へ

ドイツのシーメンス社は3日、ロシアのV.プーチン首相から同国の総合原子力企業であるロスアトム社と原子力発電分野で協力していくための協議について打診があったことを明らかにした。

これは同社のP.レッシャー社長兼CEOとプーチン首相との会談の席で、話題に上ったもの。シーメンス社は1990年代から複数の原子力発電所プロジェクトでロスアトム社との協力実績があり、スロバキアのモホフチェおよびボフニチェの両原子力発電所に対しては安全・運転関係の計装制御機器を供給。ブルガリアのベレネ発電所プロジェクトでも、ロスアトム社傘下の原子力輸出・建設企業であるアトムストロイエクスポルト社と協力関係にある。

レッシャー社長は原子力発電を含めた協力関係の拡大で打診を受けたことについて、「非常に喜ばしい」とコメント。同社がロシアで150年以上にわたって事業経験を有するなど、同国とのパートナーシップを成功裏に構築してきたという背景を説明するとともに、「このような関係をさらに深めて行きたい」との抱負を明らかにした。

一方、ロスアトム社も同日、「我々はロシアとドイツのみならず、第三国の市場でも活発に活動していけるだろう」と発表。同社のS.キリエンコ総裁は「我々の協力は世界市場でそれぞれの立場の強化に役立つ」と述べ、特に中国の台山原子力発電所建設計画でシーメンス社が制御システムを供給した事実に言及した。


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