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[原子力産業新聞] 2009年2月26日 第2467号 <1面>

変更認可の評価方法など検討開始 新検査制度での発電所運転期間延長で 電力、18か月運転対応示す 原子炉安全小委のWGドリニア設計変更など

総合資源エネルギー調査会の原子炉安全小委員会安全評価WG・長期サイクル炉心評価(主査=久木田豊・名古屋大学大学院教授)は23日に初会合を開催、新検査制度において事業者が原子炉の運転期間変更を申請した際の保安院の申請に対する評価方法について審議を開始した。今年6月を目途に審議結果を取りまとめる。

新検査制度では、原子炉設置者が運転期間を変更する場合、「原子炉の運転期間の設定に関する説明書」を添え、保安規定の変更認可を受ける必要がある。保安院は同認可に際し、設置許可申請書本文記載の基本設計や基本的設計方針に則し適切な期間かを評価するが、同WGは評価の方法やポイントなどの基本的な考え方を取りまとめる。

具体的な検討は国内のBWR、PWRの各110万kW級の原子炉を代表プラントとして選定、原子炉の運転期間を延長した場合の炉心特性などへの影響を評価する。影響評価項目として燃料の機械設計、炉心の核設計、炉心の熱水力設計、炉心の動特性、運転時の異常な過渡変化および事故などを挙げている。

今会合では、電気事業者が示したBWRの影響評価報告書を審議した。同報告書では、9×9燃料を使用する110万kW級代表プラントで、基本設計に則した18か月運転が可能であることを示すとともに、個別BWRプラントで確認すべき評価項目を選定。原子炉の反応度を長期間維持するため、ガドリニア(中性子毒物)設計の変更、燃料配置の工夫などの対応策も示している。


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