[原子力産業新聞] 2009年3月5日 第2468号 <3面> |
米オバマ大統領 2010会計年度の予算教書で ユッカマウンテン 予算、必要最少限に米国のB.オバマ大統領は2月26日、議会に2010会計年度(09年10月〜10年9月)の予算教書を提出し、ユッカマウンテンの廃棄物処分場計画については予算を必要最少限に抑える考えを明らかにした。 大統領は「放射性廃棄物と核物質の汚染除去と管理」の項目で、「当該予算では国の核兵器開発が環境に残した遺物について、健康上、安全上のリスクに取り組むことにより説明責任と実行動の改善に焦点を合わせる」と明言。ユッカマウンテン予算は米原子力規制委員会(NRC)からの照会に答えるのに必要な最少限レベルに削減する一方、同政権が放射性廃棄物の新たな処分戦略を検討する考えを強調した。 オバマ大統領はかねてより、ユッカマウンテンの処分場としての科学的な適性に疑問を表明しており、「健全な科学に裏打ちされた安全かつ長期的な代替案を模索する」、あるいは「国の処分場受入れを厭わない州を探す」などの方針を明らかにしていた。このため、同計画に強力に反対しているネバダ州選出議員らは、「大統領は公約を果たす重要な最初の一歩を踏み出した」と評価している。 ユッカマウンテン計画に対する予算配分は、2008会計年度に3億8640万ドルだったが、昨年10月から始まった09会計年度予算では、約1億ドル削減されて3億ドル程度になるとの見通しが伝えられている。10年予算ではこれをさらに下回ると予想されるが、産業界では、NRCの審査を継続するということは、少なくとも新たな処分戦略が発表されるまでは同計画が審査対象として留まることを意味するとの受け止め方も残っている。 |