[原子力産業新聞] 2009年3月5日 第2468号 <3面> |
カナダと原子力協定に調印 ヨルダンヨルダン・ハシミテ王国国営のペトラ通信社は2月17日、ヨルダンとカナダが原子力の平和利用で協力協定に調印したと発表した。 これは昨年6月、ヨルダン原子力委員会がカナダ原子力公社(AECL)およびカナダの大手エンジニアリング・建設企業であるSNCラバリン社と原子力協力分野で了解覚書(MOU)を締結したのに伴う措置。二国間の原子力協力協定としては、対フランス、中国、韓国に次いで4か国目ということになる。 この協定により、カナダはヨルダンに発電と海水淡水化用の原子炉建設で支援を提供するとともに、原子力安全や緊急時計画の策定について協力。ヨルダンの原子力部門で業務にあたる人材の養成や原子力の医学・農業・工業利用に対しても協力の道筋を付けていくことになった。 なお、SNC社およびAECLとのMOUでは、(1)CANCU炉をヨルダンに導入する場合の技術的・経済的実現可能性を実証するためのエンジニアリングおよび経済性調査を実施(2)ヨルダンにおける規制要求項目の枠内で改良型CAUDU6(EC−6)を建設する可能性評価のために、インフラ開発の必要事項とサイト選定プロセスの事前評価を実施(3)燃料加工施設、技術移転、人材養成に関する調査と、ヨルダンのウラン資源をCANDU炉で使用する可能性保証のための支援実施−−などが明記されていた。 AECL側は、EC−6の規模がヨルダンの送電網や天然ウランによる燃料サイクル、燃料転換能力などと適合性が高い点を挙げ、ヨルダンのエネルギー自給性を高めるのに役立つと強調している。 |