[原子力産業新聞] 2009年3月12日 第2469号 <1面> |
保安院 基本政策小委での審議開始 より高度な安全規制めざす原子力安全・保安院は9日の総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会で、同部会の下に設置していた基本政策小委員会(委員長=村上陽一郎・国際基督教大学大学院教授)での審議を開始する方針を示した。今月末から高度で先進的な安全規制、国際動向への対応などの検討を開始、今年夏頃を目途に中間取りまとめを行う。 同小委員会は01年に、規制のあり方など安全に関する横断的な事項を検討するために設置された。しかし、これまで必要な審議は同部会自体で行っており、小委員会としての実際の審議は今回が初めてになる。 当面の検討課題は、(1)これまでの安全規制施策を踏まえた今後の取組み方策(2)より高度・先進的な安全規制および安全技術の導入(3)安全確保に係る国際動向への対応(4)原子力安全に係るステークホルダー間のコミュニケーション――など。 保安院は、「我が国は従前の安全規制制度との一貫性の確保などの観点から伝統的な規制制度などが堅持される傾向があり、他の主要国に比べ、より高度・先進的な安全規制への取組みが遅れがちになるとの見方がある」と指摘。技術力のあるシニア層の大量のリタイアなどで技術力低下が懸念される中で、規制当局や産業界は安全確保の機能を維持・強化する必要があり、高度・先進的な安全規制では、こうした課題について検討したいとした。 国際動向の検討テーマでは、世界的な安全規制の共通化への対応、原子力セキュリティーへの関心の高まりなどを挙げ、ステークホルダー間のコミュニケーションでは、中越沖地震における情報提供の反省もあり、ステークホルダーの原子力防災への関心に応えていく必要があるとした。 |