文字サイズ
[原子力産業新聞] 2009年3月12日 第2469号 <2面>

放医研等が新サーベイメータ 3秒以内で計測

放射線医学総合研究所、応用光研工業(東京都福生市、江原直行社長)、天野研究所(東京都港区、天野豁社長)はこのほど共同で、γ線やβ線の放射線量を従来の約10分の一の3秒以内で計測できる技術を開発するとともに、これを搭載した自走式ロボット測定装置(=写真)を試作した。

放射線量は一般にサーベイメータで測定するが、測定には30秒程度の時間を必要とする。今回開発した技術は、サーベイメータが放射線を感受し、その線量値を表示し始める初期段階のデータから、予測応答原理という手法により最終指示値を素早く予測するもの。 初期段階で0.1秒程度ごとに線量値の差を記録し、最終値を予測して表示する。最初は予測値の差が大きいが、3秒程度で予測値が安定するという。模擬汚染検査では、汚染が極めて少ない0.8Bq/平方pでも十分検知可能なことを確認、自然レベルから高濃度汚染レベルの放射線まで測定できる。

放医研では、この新しいサーベイメータは原子力施設などで広範囲の短時間での汚染検査、多くの作業員などの汚染の有無の迅速な調査などで、その特徴を発揮するとしている。


Copyright (C) 2009 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.