文字サイズ
[原子力産業新聞] 2009年3月12日 第2469号 <3面>

NRG社買収計画に新たな展開 米エクセロン社

米シカゴの大手電力であるエクセロン社は2日、同社が昨年から買収を働きかけているNRG社が他の電力会社の小売事業購入を計画しているとの発表を受け、「当社の買収計画にどのような影響が及ぶか評価中」とのコメントを明らかにした。

エクセロン社は昨年10月、原子力発電会社であるNRG社に対して、NRG社株1株につきエクセロン株0.485株と交換する(総額62億ドル相当)との買収案を提示。NRG社取締役会の拒否回答とは裏腹に、今年1月初頭までにNRG社の株主達から同社の発行済み普通株の45.6%を購入することに成功した。2月26日になると、NRG社株主から売却の申し出のあった株式割合は51%に達し、同社は「NRG社があくまでも拒否回答を翻さないのであれば、NRG社取締役会を拡大し、株主の利益のために動く独立の立場の取締役を選出するよう、働きかけることも辞さない」との見解を表明。同時に、両社の株式交換提案の期限をさらに6月26日まで延長し、それまでの間にNRG社の次回総会で取締役を選出するための委任勧誘状、および買収取引そのものに関する承認を証券取引委員会(SEC)から得たいとしていた。

しかし、3月2日になってNRG社は突然、リライアントエナジー社からテキサス州における電力小売事業を2億8750万ドルで現金購入する計画を公表。NRG社がテキサスの電力供給市場で第2位の事業者となることが判明したことから、エクセロン社がNRG社買収計画で新たな検討を迫られることになったとしている。


Copyright (C) 2009 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.