[原子力産業新聞] 2009年3月19日 第2470号 <2面> |
国際展開など9項目の提言 原子力委、エネ政策評価案示す原子力委員会の政策評価部会は12日、エネルギー利用の取組みの評価案をまとめた。原子力政策大綱の考え方に基づき、原子力発電と核燃料サイクルの進捗状況を評価した上で新増設、既設炉活用、次世代軽水炉、国際展開など9項目について提言した。国際問題では、国として一元的に対処する体制を構築すべきとしている。 原子力発電の評価では、新増設への取組みの着実な進展を評価する一方で、課題として設備利用率の低迷を挙げた。核燃料サイクルでは天然ウランの確保、ウラン濃縮、使用済燃料の取扱い、プルサーマル、中間貯蔵、不確実性への対応などに分けて評価、六ヶ所再処理工場ではガラス固化設備の運転条件の確立に向けた着実な作業の前進を求めている。 提言は、(1)新増設(2)既設炉の活用(3)次世代軽水炉(4)国際展開(5)ウラン確保(6)ウラン濃縮(7)再処理工場(8)廃棄物処理(9)中間貯蔵――。新増設では地元と国民理解が重要であり、国は関係機関が行っている相互理解活動が十分かを評価し、必要があれば更に改善すべきと指摘。既設炉の活用では、最近のトラブル事例から運転管理技術基盤が劣化しているとの指摘もあり、電気事業者は技術基盤の維持・強化の検討が必要などとし、次世代軽水炉では世界標準を目指すには電気事業者と製造事業者および製造事業者間の戦略的協力関係の早期構築が重要などとしている。 国際展開では、新規導入国が拡大する中で、燃料供給から廃棄物のマネージメントまでを含む包括的サービスの提供を重視する例があり、官民一体となったオールジャパン体制が必要とし、国内電気事業者が相手国の電気事業者の支援を積極的に行うなどの取組みをすべきとした。また、ウラン確保のための外交の継続・拡大が必要とし、中間貯蔵では事業者の建設推進への取組みの一層の強化を求めている。 |