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[原子力産業新聞] 2009年3月19日 第2470号 <2面>

保安院 柏崎刈羽1火災で 危険物取扱のリスクなど指摘

原子力安全・保安院は12日、東京電力柏崎刈羽1号機の火災で実施した立入検査の状況を原子力安全委員会臨時会議に報告した。危険物を扱うエリアでの可燃物・電気製品の管理、教育・啓発、電力と協力会社との連携・協力などについて、改善を指摘。

去る5日、同機原子炉建屋地下5階原子炉隔離時冷却系ポンプ室でポンプの分解・点検作業の準備中に出火、自衛消防隊により火は約30分後に消し止められたが、作業員1名が軽度の火傷を負った。東京電力の調査によると、危険物保管箱内で揮発性の洗浄剤の小分け作業を行っていた際、そばにあったポリ袋に帯電した静電気により、揮発・滞留した洗浄剤に着火したものと原因を推定している。

保安院が6日に行った立入検査の報告では、通気・換気性の悪い危険物保管庫内での洗浄剤小分け作業について、施工要領書で明確化されていないだけでなく、火災のリスクを高め不適切と指摘しているほか、協力会社と連携・協力した危険物を扱う作業者への十分な教育・啓発なども求めている。

東京電力では、中越沖地震以降、8件の火災が発生していることに鑑み、原子力・立地本部長をヘッドとする防火管理特別委員会を設置して、必要な対策を検討している。


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