文字サイズ
[原子力産業新聞] 2009年3月26日 第2471号 <3面>

GE日立、インド原子力公社らと ABWR建設で覚書締結

GE日立ニュークリア・エナジー(GEH)社は23日、インドにおける複数のABWR建設協力に関してインド原子力発電公社(NPCIL)など現地の2社それぞれと了解覚書(MOU)を締結したと発表した。

NPCILはインド国内で稼動する17基すべての原子力発電所を操業する同国唯一の原子力発電会社。もう1社はバーラト重電公社(BHEL)で、ニューデリーを本拠地とする同国の主要な原子炉機器・設備製造業者である。両社ともインド国営で、インドの現在の原子力発電設備容量410万kWを2032年までに6000万kWに拡大するという同国政府の計画を強力に支えている。

今回のMOUにより、GEHは出力135万kWのABWRを複数、インドに建設するために必要となる製造および建設管理のための資源調達について両社とともに検討していく。GEHは、ABWR設計には商業的に実証された第3世代の原子炉技術が組み込まれており、世界で採用された最初の4基がすでに稼働しているほか、さらに4基が建設中である点を強調。このほか、米原子力規制委員会(NRC)で設計認証審査中のESBWR(高経済性・単純化沸騰水型炉)についても今後、顧客に勧めていく方針だとしている。

インドは昨年10月、米国と原子力平和利用協力協定に調印したほか、原子力賠償法およびその他の規制の国内適用を進めている。また、今年2月には民生用原子力施設に国際原子力機関の保障措置を適用する協定に調印した。原子炉メーカーとの協力に関しては、GEH以外にウェスチングハウス(WH)社とAP1000の導入で同様に協議しているほか、ロシアのアトムストロイエクスポルト社とはVVER1000で、また仏アレバ社とはEPR(欧州加圧水型炉)の導入に向けて協議中である。


Copyright (C) 2009 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.