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[原子力産業新聞] 2009年3月26日 第2471号 <4面>

J−PARC ビーム発生と輸送に成功 ハドロン施設のビームライン完成

高エネルギー加速器研究機構が建設中の大強度陽子加速器施設(J−PARC)の原子核・素粒子実験施設(ハドロン実験施設)の内の二次粒子ビームライン「K1.8BR」がこのほど完成し、二次粒子ビームの発生と輸送に成功した。

同実験施設では、1月末に50GeVシンクロトロンからの30GeV陽子ビームの入射に成功。先月から二次粒子生成ターゲットおよび同ビームラインの試運転を順次開始し、ビーム粒子の通過位置を測定するワイヤーチャンバーおよび時間情報を測定するプラスチックカウンターでビームの到達を確認した。その後、ビームの飛行時間の測定にも成功、ビーム中のπ中間子および二次陽子を確認した。

運転はJ−PARC建設チーム、同ビームラインで最初に実験を行う東京大学および理化学研究所とともに東京工業大学、京都大学、大阪大学の合同チームで実施した。

同実験施設は今秋から運転を再開する計画で、今後、同ビームラインの下流にあたるK1.8ビームライン、中性K中間子ビームラインの建設を進めるとともに、「K1.8BR」では、次の実験に向けた各種装置も設置する。

同実験施設は大強度陽子ビームにより発生する大量のK中間子やπ中間子、反陽子、ミュオンなどの二次粒子ビームを用いて素粒子物理学や原子核物理学を研究する。物質・生命科学実験施設とともにJ−PARCの中核施設になる。


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