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[原子力産業新聞] 2009年3月26日 第2471号 <4面>

大豆豊作の鍵を解明へ 日本原子力研究開発機構と新潟大 植物ポジトロン利用

日本原子力研究開発機構と新潟大学はこのほど共同で、大豆の根粒が空気中の窒素を栄養として取込む共生的窒素固定の様子を、植物ポジトロンイメージング技術により、自然な状態で観測することに成功した。

大豆は、化学窒素肥料を多く使うと、根粒菌という地中の微生物を根に取り込み、根粒菌が空気中の窒素を栄養に変える活動を利用する共生的窒素固定の力が低下し、生産量が減ることがある。これを解決するには、生きた大豆と根粒菌を自然な状態を保ち、窒素固定の様子を観測する必要があった。

原子力機構はこれまでも放射性トレーサを使用、生きた植物体内の様々な物質の動きを観測できる植物ポジトロンイメージング技術を開発してきている。今回は、窒素の動きを観測するため放射性窒素ガスを新たに製造、これを迅速に精製し、植物に投与する方法を確立した。大豆の根粒が空気中の窒素を栄養として取込む様子を自然な状態で観測することに成功したのは世界でも初めてという。この画像データを基に、大豆根粒の窒素固定の能力を測る手法も実用化した。


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