エネ調・国際戦略小委 電力会社の国際対応に期待 報告書骨子で議論 原子力支える多くの企業にも焦点 新規導入国支援に力点 二国間協定締結にも意欲

総合資源エネルギー調査会・原子力部会の下にある国際戦略検討小委員会(小委員長=田中知・東大院教授)は31日、経済産業省で第4回会合を開き(=写真)、今までの審議での主な論点整理と、「原子力産業のすそ野産業支援」(委員の服部拓也・原産協会理事長が報告)、「次世代軽水炉開発の今後の展望」(田中隆則・エネルギー総合工学研究所原子力工学センター長が報告)の審議を行った後、同委員会の報告書骨子(案)について経済産業省が提示し、審議を行った。

同小委員会では、世界最大の原子力発電国の米国の新規建設計画を例にとって、いずれにしても2010年から12年ごろまでのここ数年が最重要段階だと捉えている。

骨子案では、産業体制のあり方として、電気事業者の燃料調達安定化とメーカーの供給力向上の同時達成が重要と指摘したほか、原子力発電の新規導入国等における安全確保などを実現していくためには、建設・運転・保守等のノウハウを有する電気事業者にも国際的な対応が期待される、と強調している。

国内関係者の連携促進では、官民協議会を立ち上げ、各機関の取り組み方針、取り組み状況等に関する情報交換・意見交換の促進の必要性を訴えている。その実施主体として「中核的な支援機関を創設し、基盤整備支援等に関するノウハウの蓄積を図るとともに、国内関係諸機関の結節点となって相互連携を促進すべき」としている。

機動的に原子力協力を進めていく上で、「二国間原子力協定の締結が必要なケースが増大することが見込まれる」とする一方、IAEAなどの国際機関における国際安全基準策定などや多国間設計評価プログラム(MDEP)等の安全規制の国際的な調和が必要で、それは「許認可コストの低減や予見可能性の向上など、わが国原子力産業の国際展開にも好影響」を与えるものと指摘している。

さらに、「国際展開を目指す裾野産業の研究開発等の支援」では、「裾野産業の厚み・技術力が我が国原子力産業の強みを支えている」とした上で、国内建設需要の低迷が見込まれる中、「こうした裾野産業が海外市場拡大の果実を獲得しない限り、産業基盤が弱体化するおそれ」があると、踏み込んだ表現をとっている。


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