韓国 安技院/科技院 国際原子力安全学校に 修士課程を開設

韓国原子力安全技術院(KINS)と韓国科学技術院(KAIST)は3月18日、原子力安全分野で一層ハイレベルな専門家を養成するため、KINS内に設置されている国際原子力安全学校(INSS)に秋から修士課程を開設することになったと発表した。

INSSは原子力安全規制に関する人材育成のためにKINSが国際原子力機関(IAEA)との協力の下、2008年1月に設立した教育施設。KINSの認識では、一国家が原子力安全のインフラ整備を行う際に最も重要なのは優秀な政策立案担当官や原子力安全規制官、あるいは安全性関連の専門家を養成することであり、教育・訓練は安全インフラ整備の要といえる。昨年の第52回IAEA総会でも人材育成のための高等教育プログラムの促進が提唱された。

こうした背景から、KINSとKAISTは共同でINSS内に国際原子力安全修士課程を創設するとともに、これを運営していくことになったもの。韓国教育科学省(MEST)のサポート機関であるKINSは、原子力安全規制においてトップ・レベルの能力と経験を有すると強調しており、同課程の安全規制カリキュラムと実地訓練コースの提供に責任を担う。一方のKAISTについては、科学技術分野における教育・研究で国際的な知名度が高いとしており、原子力技術の基礎理論と基盤研究メソッドを担当する予定。

修士課程設置の究極の目的として両機関は、IAEA加盟国の学生を教育訓練することを通じて原子力安全リーダーを育成するとともに、結果的に世界規模の原子力安全体制を促進することだと指摘。全課程の履修に少なくとも1年半を予定しており、必須の授業と実地訓練を修了した者にはKINSから「原子力安全修了証」、KAISTからは工学修士の学位を授与するとしている。

また、学費の免除や奨学金および往復航空チケットの給付、学寮の利用も含めた全面的な奨学金制度も10名程度の学生に適用する予定。申し込み資格としては学士号の取得と原子力関係機関での職歴、現在の雇用主からの正式な推薦状などが必要なほか、英語を母国語としない申請者には英語力試験が課せられることもある。開講日が今年9月1日ということで、申し込み締切日は4月30日である。

同課程の詳細問い合わせはKINSの担当調整官まで。k149cyj@kins.re.kr


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