英国の新規原子炉建設計画 建設候補地リスト案を公表

英国のエネルギー気候変動省(DECC)は15日、新規原子力発電所の建設希望地点として事業者が指名登録したサイトのリストを公表した。

これは現在、政府が進めている新規原子力発電所建設計画の「戦略的サイト選定評価(SSA)」手続きの一部。1月から3月末までの間、EDFエナジー社(英BE社を吸収して成立したフランス電力の子会社)やドイツのRWE社とE・ON社などの事業者が英国内で11のサイトを指名登録していた。

DECCはこれらのサイトで2025年までに原子炉の操業が可能であるか、また、事業者がサイトとして指名登録する計画を地元に十分説明したかなどの点について入念な事前審査を実施。今後1か月間かけてこれらに対するコメントを一般市民から募ることになっている。

得られたコメントは規制当局その他の専門家達からの助言とともに、これらのサイトが潜在的に新規立地に適しているかの審査に活用される。適正と評価されたサイトについては「国家政策声明書(NPS)案」に候補サイト・リストとして盛り込まれ、今年の末にも公開諮問のために公表される計画だ。

DECCのE.ミリバンド大臣は「一般市民にはこの機会にぜひ、当省のウェブサイトにアクセスして関係情報を入手するとともに、指名されたサイトについて意見を残してほしい」とコメント。NPS案に対する公開諮問の期間でも一般市民がさらに意見を述べる機会が残されている点に触れ、新設計画が十分な透明性をもって進められていることを強調した。

今回指名登録された11サイトのほとんどは既存の原子炉が稼動中か、かつて稼動していた原子力発電所サイトの近郊。しかし、RWE社が指名したカンブリア州のブレイストーンズ、およびカークサントンの2地点は、まったくの新規立地点である。

RWE社はこれらの用地の売買権をすでに購入済みであるという。ブレイストーンズの方はセラフィールド原子力施設が近郊で立地している一方、カークサントンでは原子力施設になじみがなく、住民の一部から不安の声が上がっているとも伝えられている。


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