【第42回原産年次大会】 セッション1 基調テーマ「原子力大国・経済大国における低炭素社会実現にむけた原子力発電への期待」 T.ストーン英国エネルギー気候変動省大臣顧問 「英国におけるエネルギー政策と原子力発電開発の見通し」

英国政府が進めている新規原子力発電所建設計画のポイントと進捗状況について説明したい。

08年1月に英政府は原子力を英国の将来のエネルギー供給要素に加えることを決定。エネルギー気候変動省(DECC)は2018年頃に第一陣の原子炉を運開させるべく新規原子炉建設に向けた手順を進めている。

まずは、英国を米国に次いで魅力的な原子力市場とするための基盤整備から始めており、昨年9月、DECC内に原子力開発室(OND)を設置。ONDへの助言組織として、政策立案者や民間産業界のリーダーを交えた原子力開発フォーラム(NDF)も創設した。

新規原子炉建設のための基本方針は、事業者が建設計画の第一歩から浄化に至るまで、必要な資金を確保できるよう法整備すること。新設計画の手続きの1つである「戦略的立地評価(SSA)」では、3月末までに事業者が指名したサイトの中から適切と評価したものをリストにまとめる段階に来ており、最終的に「国家政策声明(NPS)」に盛り込む予定である。このNPSは2010年春にも、議会審議にかける計画だ。採用すべき原子炉設計を定める「包括的設計評価(GDA)」もまだ作業が残っている。新規原子炉からの放射性廃棄物管理については、将来深地層処分場を受け入れる可能性について3つの地方自治体が関心を示しており、適切に進めていく考え。

新規建設計画に伴い、欧州産業界も英国原子力市場に重大な関心を示しており、フランス電力(EDF)は今年1月にブリティッシュ・エナジー(BE)社を買収し、2017年までに4基の新設を表明している。


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