【第42回原産年次大会】 セッション1 基調テーマ「原子力大国・経済大国における低炭素社会実現にむけた原子力発電への期待」 余剣峰・中国核工業集団公司副理事長、「原子力開発の推進、地球環境の保護」生態学的環境を防護することは人類全体が解決しなければならない問題であり、わが国では低炭素なエネルギーと電力システムの構築に重点を置いている。この意味で、クリーンで安全かつ環境に優しい原子力の比率を高めることは原子力業界の責務であり、中国核工業集団公司(CNNC)は原子力開発という社会的責任を担っている。 08年にCNNC所有の原子炉は37.6TWhを発電し、4400万トンのCO2と20万トンのSOx排出を削減したが、周辺環境の放射線レベルには何ら悪影響を及ぼしていなかった。国全体では、2020年までに40GWの原子力設備を稼動させ、18GWを建設中とする中・長期計画が進行中だが、将来はさらに拡大する可能性もある。 開発の手法は国際社会に協力を求めつつ、独自技術による建設・運転も進めるというやり方。すでに100万kW級のPWRを設計・建設する技術力を獲得し、現在第3世代原子炉の導入、第4世代原子炉の研究開発に取り組んでいる。 すでに三門では世界初のAP1000建設計画が進行中だが、今年中に海陽、台山、海南でも建設計画に着手する予定。また、湖南省桃花江でも初の原発建設を計画しているほか、田湾の拡張工事も検討中である。09年現在で20基以上の建設計画が正式に承認されており、10基以上が準備段階に入る見込みである。 CNNCの開発戦略は、ある世代の原子炉を導入しつつ、同時に次世代の原子炉技術を研究開発、あるいはその次の世代について事前研究するというもので、国産の原子炉の製造技術を高めていくため、現在は第3世代技術の導入と吸収を急いでいる。このように、CNNCは今後も真に省エネ効果があり環境に優しい原子力の開発に全力を尽くして行く方針だ。 |
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