WH社が52%の株式取得 原子燃料工業の筆頭株主に

原子力発電の世界的展開が見通される中で、原子燃料工業(岩田善輔社長、本社・東京都港区、資本金10億円)の株式の52%を、東芝のグループ会社である米国ウェスチングハウス・エレクトリック社が取得し、筆頭株主になる契約が4月30日に締結された。取得予定価格は約100億円。

原子燃料工業は住友電気工業と古川電気工業の折半出資会社で、PWRとBWRの燃料の両方を供給してきている会社。親会社の両社は、当面は日本国内市場の大きな成長が見込みにくい中で、持続的な成長をしていくためには、同社の技術を世界戦略の中で活かせる企業グループに経営を委ねることが最善との判断を下した結果だ。

両社はそれぞれ26%の株式を米国WH社が100%出資の英国持ち株会社WH・UK社に譲渡し、各24%の保有率になる。同手続きは5月7日に終了し、新原子燃料工業は同日、株主総会と取締役会を開き、関收・代表取締役会長と岩田代表取締役社長の留任と、新たに代表取締役副社長(常勤)として米WH原子燃料部門のアジア戦略ディレクターだったジョン P.デュクレィ氏が就任したほか、WH社側から2名の非常勤取締役が就任した。また新たに執行役員制を導入した。

原子燃料工業の08年3月期の売上高は209億円、従業員数は約770名。日本原燃が青森県六ヶ所村に計画しているMMOX燃料加工工場のエンジニアリング分野を支援しているほか、電子線照射サービス事業なども行っている。

なお、東芝は22%間接出資しているグローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン社(本社・横須賀市、資本金約40億円)には現在、取締役を派遣していない。


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